#4−1 聡里-side

 寝台の軋む音。自分の忙しない呼吸。乱れて額に張り付いた髪の毛。

 どれもこれも以前と同じ。

 しかし確かに違うものは・・・。

「聡里・・・」

 継嗣の口唇が、可愛らしい音を立てて何度も聡里の肌を滑っていく。

 くすぐったいようなその愛撫に、聡里は無意識に腰を揺らした。

「なんだ? これじゃ足りねぇか?」

 いやらしく笑う継嗣に、聡里は頬を紅潮させ目を伏せた。



 薬抜きを始めて七つの月が過ぎた。

 今ではほぼ完全に薬は抜けたのだが、短期間に過度の服用をしたために後遺症が残ってしまった。

 一度覚えた快楽は忘れられることができない・・・ということなのだろうか。

 所構わず発情してしまう聡里の躯。

 継嗣はその度に相手をしてくれている。



 ゆっくりと躯の中に入ってきた継嗣の肉棒に、薄く口唇を開けた。

「ん? 気持ちいい?」

 伏せていた視線をあげると、口の端を吊り上げて笑っている継嗣の顔があった。

「ほら。返事は?」

 笑いながら指で顎先をくすぐられる。

「ゃ・・・っ」

 背をしならせた聡里を小さく笑った継嗣は、咥えこんでいるその周囲をスッとなぞった。

「やぁ・・・っ!触らな・・・いで・・・っ」

 耐え切れないとばかりに首を振る。

 しかし継嗣は尚も指でなぞり上げた。

「なんで?」

「あっ。も、う・・・っ」

「正直に言えよ。ほら・・・」

 尻朶を掴まれ軽く左右に広げられる。

 それによって統合が少しだけ深くなった。

「け、継嗣・・・っ!おねが・・・っ」

 大きく広げた両足を継嗣の躯に摺り寄せる。

 早く決定的な刺激が欲しかった。

「ったく・・・。俺も甘いよなぁ」

 苦笑して、軽く口唇を合わせられた。

 すぐに離れたそれを、反対に聡里が追っていく。

 どんな刺激も逃したくない。

 今の聡里はどんな快楽でも甘受していた。

「お姫様は欲張りだな」

 しかし、継嗣は聡里の口付けを離すでもなく、聡里が望むまま深くまで潜みこんだ己のものをゆっくりと動かし始めた。

 そのときだった。不意に扉の外から声がしたのは。

「継嗣いるかぁ?」

 ドンドンとノックとは呼べない大きな音と共に聞こえてきた声は、柊のものだった。

「ちっ。これからって時に・・・。んだよ、柊っ!」

 返事をしつつも愛撫の手は止まらない。

「け、継嗣・・・っ!」

 このままで扉の外まで快感に喘ぐ声が聞こえてしまうだろう。

 躯は悦楽を求めていたが、聡里にも理性は残っている。

 柊がいなくなるまで止めてほしい・・・という思いを込めて、継嗣を制止するように継嗣の胸板を押しとどめた。

 しかしやめる気のない継嗣は次第に律動を大きくしていった。

 もたらされる快感に、聡里のその腕も制止の意味を無くしただ胸に押し当てているだけとなってしまう。

 聡里のそんな仕草を楽しむ継嗣に、聡里は制止を諦めせめてもに己の口を声が漏れないように両の手で塞いだ。

 そんな聡里の考えなど継嗣にはお見通しだったのだろう。

 一瞬目を細めると、一際強く腰を入れた。

「あぁんっ」

 ハッとしたときにはもう遅い。

 漏れてしまった声は扉の向こう側にいる柊にも聞こえてしまっただろう。

「・・・それが終わってからでいい。俺の部屋まで来てくれ」

 溜息混じりに呟かれた言葉。

 聡里はあまりの羞恥に頬が熱くなるのを感じていた。

 柊が去ったであろう扉に視線を寄せていたその瞬間、脚を思い切り担ぎ上げられた。

「舌、噛まないように気ぃつけろよ」

 ボソリとした継嗣の呟きに疑問を持つ暇さえなかった。

 高く担ぎ込まれた脚を押さえつけるように、上から腰を叩き込まれる。

 一瞬、詰まって声が出なかったほど、それは突然だった。

 寝台から落ちそうになるほど激しく攻め立てられる。

 休む間もなく秘所を擦られ、聡里は先ほど漏れた声など比較できないほどの嬌声をあげることとなったのだった。

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